言葉の力でモデルの奥さんも財産もすべて失った世界的に有名なピアニストの話

今日から黒魔術師になってもらいます。
この方法を知れば、人を呪う事が簡単にできます。
使い方次第では人の命を奪う事もできると思っています。

悪用しないと約束してくれるのであれば、この方法をお話します。
ある男の話を聞いてください・・・。

進藤誠(仮名)36歳。
二十歳の時に世界的な大会で有名になり、25歳でピアノ教室を開業。
生徒はいつも予約まちでいっぱい、モデルの美人の奥さんをもらい幸せな人生を送っている“勝ち組”の男なのですが…
誠は目が覚めて「あれっ、こんなブツブツあったかな?」と思った。

世界的に有名な権威からも絶賛された左手に、マジックで書かれたような赤い斑点があったからだ。

「まぁいいか…」
誠はあまり気にも留めずにトーストの香りのする食卓に向かった。

現役モデルの奥さんは、いつも起きる前に朝食を用意し、笑顔で迎えてくれる。
「普通美人は料理が出来なかったり、だらしなかったりするもんだけど…」
誠はいつもこんな事を考えていた。

「おはよう、あなた」
自分より1時間は早く起きて食事の用意をしているのに、いつも笑顔で迎えてくれる。

しかし顔を合わせた途端、いつものその笑顔が急に険しくなった。
眉間にシワをよせたまま、こんな事を言うのだ。
「あなたどうしたの?その左手!」

誠はその言葉につられるように自分の左手を見た。
しかしいつもと変わった様子は何もない。
「どうした?なんかおかしいか?」

奥さんはその後“ハッ”としたように眼をこすりながら 「ごめん、気のせいだったみたい…」と言った。

気になった誠は「何かおかしかったのか?」と問いただした。

「ごめん、なんか真っ黒に見えたから…。でも気のせいだったみたい。今はなんともないから。まだ寝ぼけてんのかな?」
そういうといつもの笑顔に戻った。

「でもなんか心なしか腫れてるみたいな気がするけど、なんともない?」

誠はもう一度左手を見た後、パーとグーを交互にしてみた。
特に気になるところは何もなかった。
「大丈夫だよ、心配してくれてありがとう」
そういって誠は彼女のオデコにキスをすると、いつものように朝食を食べ始めた。

今日はピアノ教室の日だった。
予約まちでいっぱいの人気の教室だが、誠は1対1のレッスンをする事に決めていた。生徒は50人くらいいるのだが、今日はそのなかでも群を抜いてレベルの高い男の生徒だった。

誠は彼とのレッスンをとても楽しみにしていた。
自分の腕も磨かれるからだ。
奥さんとも仲がよく、よく食事にも招待し、2人でとても大切に育てていた。
「俺の手から世界的なピアニストが出るぞ」
これが誠の口癖だった。

「おはようございます、先生!」
彼はいつも誠より先にきて、教室の周りの掃除をしてくれている。

「おはよう」
ゴミ1つ落ちていない教室の周りに満足しながら挨拶をした。

いつも通り順調にレッスンは進んだ。
「次のコンテストまでもうすぐだ。彼のレベルなら簡単に優勝できるだろう…」
そんな事を考えていると、急に「先生…」と暗い声が聞こえた。

彼の顔を見ると、心配そうな表情で誠の顔をのぞきこんでいる。
「どうした?」
「先生、今日どっか調子が悪いんですか?」
「いや別に悪くないけど…。どうかしたのか?」
「気のせいなら良いんですけど、ちょっと…」

そういうと、彼は申し訳なさそうに口を閉じた。

「なんだ?言ってくれ。なんかおかしい事があるか?」
彼は言いづらそうに“モジモジ”していたが、誠が見つめていると言いづらそうに口を開いた。

「あの~、今日の先生の音。なんか左手の音だけ重いって言うか…」
「重い?」
「はい。なんか暗い感じがするので、調子が悪いのかなと思って」

そう言われて、朝奥さんに腫れているといわれたのを思い出した。
「そうか。お前が言うんじゃ調子悪いのかもな。痛みはないから大丈夫だと思うんだが」
「そうですか。なら良いんですけど…。先生くらいのレベルになるとちょっとした事でも気になっちゃうんですよ」
彼はいつも通りの明るい笑顔に戻った。

「明日にでも病院に行ってみるか」
誠はそんな事を考えたが、痛みもなかったのでいつの間にか忘れてしまった。

その日は4人の生徒に教えた。
教室を閉め、かえりがけの定番になっているカフェに入った。
定番のエスプレッソを注文し、雑誌を読んでいる時だった。

「先生、おまちどうさま」
そういってコーヒーを持ってきたマスターが突然大きな声を出した。
「どうしたんだい先生?病院には行ったのかい?」

びっくりして顔を上げると、マスターが手を見ているのに気が付いた。
手を持ち上げて「手がどうかした?」と聞くと「ずいぶん腫れてるじゃないかい。痛みはないのかい?」

そういわれて朝起きてから、左手がおかしい事に気が付いた。
「赤い斑点、奥さんや生徒の一言、マスターにまでも…」
そういえば少し左手が“ズキズキ”している事に気が付いた。
これは本当に病院に行かなくてはなと思った。

「大丈夫ですよ。少し弾きすぎかな?」
「それなら良いんだけど。先生はこの地域のヒーローだからね。大事にしてもらわないと」

手が今頃痛み出してきた自分に「けっこう鈍いんだな」と苦笑いをしながら家に帰った。

自宅で夕食を作っていた奥さんに「やっぱり手おかしいかな?」と聞いてみた。
奥さんは少し黙った後、心配そうに「朝より黒っぽくなった感じがする」と言った。
寝る前になってやけに左手が“ズキズキ”うずいた。

小さい頃から病気ひとつした事のなかった誠には、かかりつけの病院がなかったため電話帳で病院を調べた。
奥さんのかかりつけの病院に行ったらどうかと言われたが、レントゲンをとりたかったので整形外科に行くことにした。
「もうすぐコンテストも近いし、何もなければいいけど…」
病院の待合時間が、異様に長く感じられた。

しかしレントゲンをとり、診察もすべて終わってから医者からいわれたのは、意外な言葉だった。
「大丈夫ですよ。どこにも異常はありませんよ。少し疲労がたまっているのかもしれませんね」

誠は“ホッ”とした。
病院を出ると、すぐに携帯で奥さんに電話した。
「大丈夫、何ともなかったよ。心配しすぎだって」と伝えた。

気が楽になった誠は、その日はショッピングを楽しむ事にした。
「少し買物して帰るから、帰りは夕方くらいになると思うから」

そういうと誠は駅前のデパートに向かった。
しばらく休みを取ってなかった事に気付き「これは神様が休めと言う事だったんだな」と妙に納得し、ショッピングを楽しんだ。

大会用に自分のブランドの靴と、奥さんにお揃いのペンダントを買った。

夕方になり買物を終えた誠は、自宅のマンションに向かった。
階段を登っていると、同じマンションに住む奥さんとすれ違った。
いつも愛想のいい奥さんだ。
「こんばんは」誠がそうあいさつすると向こうも「こんばんは」と言った。

その瞬間いつもの笑顔が急にしかめつらになり、信じられない事を言われた。
「気持ち悪い」小さい声で誠の手をみると、そのまま小走りでどこかに行ってしまった。
いつも愛想が良くて上品な奥さんに、そんな事を言われて誠は不安になった。
「また手か…」

「ただいま…」
ドアを開けると、いつものように奥さんが玄関まで迎えにきた。
「おかえりなさ…」そういった奥さんの顔が急にこわばった。
「あなたどうしたのその手…。なんでそんな事になってるの…」
そのまま奥さんは絶句してしまった。

もう一度誠は左手をみたが、特に変わった様子はない。
しかし左手がまた“ズキズキ”痛み出した。

「なんだ?どうしたって言うんだ!ちゃんと言ってくれ!」
奥さんの両肩をゆさぶるように問いただしたが“モジモジ”して何も言わない。

「ちゃんとハッキリ言ってくれ。手がおかしいのか!」
大きな声で問いただすと、消え入りそうな声で恐ろしい事を言った。

「だって…、だってあなたの左手、猫みたいなアザができるてるじゃない…」

その一言で誠は“ゾッ”と背筋が冷たくなった。
忘れてしまいたかった“ある事件”を思い出したからだ。

それは先月のやっととれた休みの日に、奥さんとピクニックに行ったときの事だ。
木陰で休んでいると、奥さんが独身前から大事にしているインコが野良猫に襲われたのだ。誠は石を投げつけて追い払おうと思ったのだが、運悪くその石が猫の頭に当たり、血を流して死んでしまったのだ。

小さい頃から虫も殺せなかった誠にとってはショックだった。
その猫の死骸を触る事もできず、結局そのまま置き去りにしたまま帰ったことを思い出したのだ。

左手を見ると、猫の顔が浮かび上がってきているように見えた。
“ズキズキ”がいっそうひどくなる。

「あの猫の呪いかも…」
そう言うと奥さんはその場に座り込んでしまった。
誠もどうしていいかわからなくなり、とにかく冷やす事にした。
いくら冷やしてしもいっこうに痛みはなくならない。

氷水で冷えて赤くなった手が、完全に猫の顔に見えた。
誠がうろたえていると、奥さんが立ち上がり「友達に聞いてみる…」と言って携帯で電話をはじめた。

しばらく誠はうずくまり手をおさえていると、奥さんがうれしいそうな声で近づいてきた。
「もう大丈夫よ!友達がそういうのに詳しい先生を知っているから連れてきてくれるって!」

そんな事ではとても安心できるような状態ではなかったが、何もないよりはマシだと思いひたすら到着をまった。

2時間くらいしてから“ピンポーン”と音がなった。
奥さんがうれしそうに走って玄関に迎えに行った。
友達と物々しい格好をした霊媒師が入ってきた。

「この手、この手です」奥さんは2人連れて駆け寄ってきた。
「みて下さい。この手がおかしいんです」
霊媒師は「どれみせてごらん」とゆっくり誠の手をとろうとした瞬間 「これは…」と言ったまま止まってしまった。
「どうしたんですか?」奥さんが聞くと、霊媒師は真っ青な顔で言った。
「恐ろしい、あんた猫を殺したね…」

奥さんはその場に座り込み、誠は手が震えだした。
なぜなら奥さんも誠も一言も”猫の話“はしていないからだ。

「やるだけはやってみます」
そういって霊媒師は除霊の儀式をはじめたが、30分くらいして 真っ青な顔で「とても私の手に負える霊ではない」と言い、逃げるように帰ってしまった。

「どんな事になっても私は側にいるからね、とにかくお払いをしてくれる先生を探しましょう」
奥さんのその言葉だけが唯一の救いだった。

その日は全く寝れずに、徹夜でお祓いをしてくれる人を探した。

翌朝になり誠はやっとの思いで見つけた有名な霊媒師の所に、3時間もかけて行った。「予約がないと入れない」と言われたが、無理をして頼み込んだ。

これでなんとかなればいいが…
しかしこんな期待は、すぐに最悪の気分へと変わった。

「とても恐ろしい恨みです。すぐにどうにかなるような怨念ではありません」と言われてしまったのだ。

誠はそれから手がほとんど動かなくなってしまった。
ピアノを弾けなくなった誠は、ピアノ教室は優秀な生徒に譲った。

収入がなくなったためマンションを売り払い、安い賃貸の部屋にうつった。
1ヶ月くらいは励ましてくれていた奥さんも、誠の変貌ぶりに愛想をつかしお金をもって逃げてしまった。
誠は実家に帰り、暗い人生を歩む事になる・・・。



呪いより怖いのは人間の言葉

この話をきいてどう思いましたか?
「うわ~、猫の呪いは恐いな。気をつけないと」

そうではないんです。
この話で本当に恐いのは呪いではなく、人間なんです。

実は奥さんと、ピアノ教室を受け継いだ優秀な男は恋仲にありました。
まじめでつまらない性格の誠に、奥さんは飽き飽きしていました。

猫を殺しておびえている誠をみて、これはチャンスと思った奥さんが男と相談してこの計画を立てたのです。

当然カフェのマスターや近所の奥さんはグルです。
グルでないのは、医者や誠が自分で探した霊媒師ですが、奥さんにとってうれしい誤算は、その霊媒師も商売っ気が出たのでしょう。

お金欲しさに「とても恐ろしい恨みです。すぐにどうにかなるような怨念ではありません」といった事です。

元々はただ離婚するためだけの計画だったのですが、あまりの落ち込みぶりにお金もピアノ教室ものっとる計画に乗り換えたのです。

でももっと恐ろしい事があります。
何もないはずの左手が、本当に痛み出した事です。
そして本当に猫の顔のようなアザが出来た事です。


幻肢(げんし)という言葉があります。
戦争の時に爆弾で失ったはずの腕や脚が、帰還後痛くなる症状です。
ないはずの「指先が痛い」と医者に訴えるのです。

脳の欠点の1つです。
脳は腕がなくなった事を、あまりのショックで理解できないんです。

言葉は強力です。
痛みを感じさせるだけでなく、アザまで出してしまうんです。

この方法を使えば、誰かを別れさせる事なんて簡単に出来ます。
自分に振り向かせる事も簡単にできます。


あなたはこんな恐ろしい計画は立てないと思いますが、言葉の強力さを知ってもらいたくて、この話をしました。
世の中にある占いや呪いのトリックなんて、実はこんな物です…

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